①サクラお嬢様と極上の召使い達。
昔々あるところに、それはそれは大きなお屋敷がありました。
そのお屋敷には、心優しいお嬢様が住んでおり、とても頼りがいのある召使いがお嬢様のそばにおりました。
『おはようございます、お嬢様。
今日も良い天気です。
さあ、今日も、賢くなるためのお勉強ですぞ』
(……
うううう。。。)
(…うんざりだぜ こんちくしょう。)
お嬢様は泣きながら、そうつぶやきました。
(アホな授業よりドラクエやりたい、、、)
お嬢様にとってお勉強ほど無意味なものはありませんでした。
この少女は『ドルドゥン・ドーラ家』700代目、次期当主。
サクラお嬢さま。
ドルドゥン家は古くから世界中のリーダーをまとめ、未来へ導いていく血筋の家系。
いわゆる大人版の世界番長ですね。
かた苦しい事が大嫌いなので彼女はまともに授業を聞きません。
僕たちの子供の時と一緒ですね。(作者の僕は授業中、ずっと漫画を描いておりましたw
今日も博士の授業が始まります。
『さて、昨日の復習からですぞ』
「…」
いつも通り、お嬢様は勉強に興味津々です。
『と、その前に。
昨日、私が出したであろう算数の宿題は完璧にこなせましたか?』
お嬢様から馬鹿にされているとも知らず
権威的に、そしてアゲハ蝶かのように振る舞う、なんとも素敵な博士。
ギラリと博士はそのメガネを光らせました。
どういう物理現象でしょう。光源が全くの謎です。博士は太陽を自由にできるのでしょうか。
実はこの博士、メガネをクイックイッとしたいが為だけに教鞭をとっていらっしゃるのです。
なんと純真な動機でしょうか。
お嬢様が宿題をなされてないと言う事を
一瞬で判断した博士。
クイッとやる手にもいつも以上に力が入ります。
ここは自分のかっこいいところを思い知らせる最高の場面。
『いいですかお嬢様
この世界にはルールがございます。
そうです、【約束】が何より大事なのです!』
『約束を守らない人は【あかん】たれなのですぞ(きりっ)!!
そうっ!!あ、か、ん、た、れッッっッ!!』
メガネがずれているけどかっこいいナイスガイな博士。
かっこよく決めたと思ったら、誰かが教室に入ってきました。
召使いの1人でグッジョブちゃんです。
『んん〜ッ!そこッ!今授業中であるぞ!』
彼女が持っている電話からは激おこぷんぷんな声が聞こえてきました。
『ちょっとアンタ!燃えるゴミ捨ててないじゃない!
それに牛乳は!!あんた、いい歳して!あまあまなフルーチェ食べるくせに!
そのぐらいのことをちゃんと約束守りなさいよ!!
約束約束!!全くほんとに!約束守らないなんて、良い年して!子供なの!?』
博士はずっとママに叱られています。
でも端から見ていると少しうれしそう?なのですw
そこにお嬢様が愛の手を差し伸べました。
お嬢様は満面の笑みです。
「博士?
約束って。
約束って、何かしら?」
博士は涙を流しながら、虫の息で答えます
『…ya
…ya
約束とは……………
約束とは守るものです…。。。。』
あかんたーれー見ーつけた。
この日のお嬢様は、大変機嫌よく過ごせたと言うことです。
ー続く。